初期セミナーA インターネットと政府情報
SARS 情報の公開と隠蔽
1、中国の情報隠蔽
新型肺炎SARSがアジアを中心に急速に広まった。このSARSの情報が世界中へと広まったのは今年の3月のことである。しかし発生源とみられる中国では初めて発症が見られたと思われる昨年の11月以来今年の4月まで、報道規制がなされていた。情報公開が騒がれる世の中の動きの中、何故中国政府はこのSARSの情報を公開しなかったのだろうか。
確かに情報を公開することで国民がパニックに陥ることは予想される。しかし人命に関わる問題だ。正確な情報をすばやく公開することで、感染の拡大を防げたはずである。
今回のこの情報の隠蔽について、世界中から批判の声があがっている。北京の雑誌「世界知識」では「新型肺炎を隠蔽した結果、中国の災いが輸出され、中国の問題が国際化した」「中国の体制の欠陥があらわになった」などとても厳しく批判している。その後、香港、フィリピン、シンガポール、ベトナムなどアジア諸国やカナダへ急速に感染が拡大したことを考えると、これらの批判は的確である。